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合併症が恐いって本当?

糖尿病に特有の三大合併症(眼と腎臓と神経)について

1.眼(糖尿病性網膜症)

日本人の失明原因の第2位(第1位は緑内障)。毎年およそ3,500人の方が糖尿病によって失明している。

糖尿病を未治療で放置していると、眼球の一番奥の部分(網膜=映画館のスクリーンのように物の形を映すところ)に出血が起きる。これを眼底出血という。

重要なのは、多少眼底出血が起きても全く自覚症状が無いこと。

失明直前の大出血が起きてからでは回復は難しい。

初期の網膜症は血糖のコントロールで改善するが、中等症以上の場合には適切な眼科医の治療がその予後を左右する事が多い。

2.腎臓(糖尿病性腎症)

日本人の人工透析導入原因の第1位。

毎年およそ14,000人の方が糖尿病によって慢性腎不全から透析に移行している。

腎症も網膜症と同じくその多くは全く自覚症状が無い。

初期には尿中微量アルブミンの定量で異常が出る。

放置すると次第に尿蛋白が増え手足のむくみなどが出現するが、徐々に進行するので多くの方は無自覚。

腎不全末期の尿毒症一歩手前になると初めて吐き気、食欲不振、呼吸困難などの自覚症状が出てくる。

3.神経(糖尿病性神経症)

神経の合併症は、眼や腎臓よりも比較的早期から自覚症状が出てくる。

足がつりやすい事を自覚する事もあるが、典型的には両足先のしびれ感から始まる事が多い。

ジンジンする感じが続いた後、ひどくなると痛くて眠れないと訴えるようになる。

その後放置しておくと痛みも感じなくなり、外傷などの誘因によって壊疽になってしまう。

壊疽による足の切断が毎年およそ3,000人と言われている。

その他自律神経障害(発汗異常やインポテンツ)なども深刻な問題である。

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