糖尿病ってどんな病気?
糖尿病の患者数は現在では1000万人、予備軍をも含めますと2000万人に達すると推定されています。
糖尿病に対する正しい理解は、この病気の治療やその予防に欠かすことができません。
糖尿病とは
糖尿病は、ひとことで言えばインスリン不足より引きおこされた代謝の乱れによって引き起こされる病気です。
インスリンとは膵臓のランゲルハンス氏島の中にあるB細胞から分泌されるホルモンです。
その働きは、ごはんなどを食べて吸収され血液の中に入ってきたぶどう糖を、肝臓や筋肉、脳などの組織に取り込み、最終的にエネルギーとして燃やしたり、グリコーゲンとして貯えたりすることです。
インスリンが不足するとこの働きが弱くなり、血液中のぶどう糖が十分利用されなくなって結果的に血糖値が上がり、さまざまな自覚症状や合併症が出てくるようになるのです。
自覚症状は
自覚症状としては、典型的には口の渇き、水分をたくさんとる、異常にたくさん食べる、トイレに何回もいく、体がきつい、体重が減ってくるなどがあります。
しかし、このような自覚症状は多くの場合血糖値が400mg/dl以上になってこないと現れてきません。
逆に合併症は血糖値が200mg/dlを超えると徐々に進行していきます。
つまり「自覚症状が無いのに合併症が進む」ところが問題なのです。
糖尿病のタイプは
次に、糖尿病には大きく分けて二つのタイプがある事をお話します。
そのひとつはインスリン依存型、あるいは1型糖尿病といわれ、急激に発症してインスリン注射が必要となるタイプで、主に子供が発症します。
ウイルスによる感染や、それをきっかけにしておこってくる自己免疫とよばれる異常現象が原因で、B細胞が破壊されてしまうと考えられています。
ふたつめのタイプはインスリン非依存型、あるいは2型糖尿病とよばれ、我が国の糖尿病の大部分、つまり成人の糖尿病の大部分はこのタイプの糖尿病です。
2型糖尿病は、遺伝的素因としてインスリン分泌異常やインスリン抵抗性のある人々に、食べ過ぎ、運動不足、その結果としての肥満、更にはストレスが発症因子として作用し、徐々に、殆ど無自覚、無症状のうちに発症します。
その他2次的におきる糖尿病としては、膵臓そのものの病気、バセドウ病などのホルモンの病気などがあげられます。
また、病気ではありませんが、境界型糖尿病といって、いわゆる糖尿病予備軍の場合もあります。
妊娠時のみ血糖値が高い場合には、妊娠糖尿病といいます。
40歳以上の男性の3人に1人、女性の4人に1人は糖尿病またはその予備軍といわれ、決して恐ろしい病気ではないのですが、放置すると色々な合併症が現れてきます。